消費税増税について(その2)
4. 仕入税額控除の要件
消費税の納税額は、原則として、下記の様な計算方法で算出されます。
売上で預かった消費税 - 仕入で支払った消費税(経費の支払も含む)= 納税額
※ 課税売上割合等については考慮しておりません。
この、仕入(経費)で支払った消費税を控除する事を「仕入税額控除」と言います。
仕入税額控除を行うためには下記の要件を満たさなければなりません。
仕入税額控除の要件(平成31年10月1日~平成35年9月30日)
期 間 | 帳簿への記載事項 | 請求書等への記載事項 |
平成31年9月30日まで | ①支払った相手先の氏名又は名称 ②取引年月日 ③取引の内容 ④対価の額 |
①請求書発行者の氏名又は名称 ②取引年月日 ③取引の内容 ④対価の額 ⑤請求書受領者の氏名又は名称※ ※小売業・飲食業等の不特定多数の者と取引する 事業者については、⑤の記載は省略可能 |
平成31年10月1日 ~平成35年9月30日 |
(上記に加え) ⑤ 軽減税率対象品目である旨 |
(上記に加え) ⑥ 軽減税率の対象品目である旨 ⑦ 税率ごとに合計した税込対価の額 |
平成31年10月1日からは「区分記載請求書等保存方式」に変更となり、請求書や帳簿への記載について項目が追加されます。
請求書の記載項目が追加されるため、場合によっては、現状の請求書発行システムを更新する必要があります。
「区分記載請求書等保存方式」の下においても、3万円未満の少額な取引や自動販売機からの購入など、請求書等の交付を受けなかったことにつきやむを得ない理由があるときは、現行通り、必要な事項を記載した帳簿の保存のみで、仕入税額控除の要件を満たすこととなります。
5. まとめ
消費税増税、軽減税率導入については、全ての事業所に影響が出ると言って過言ではありません。
また、品目別に判断を要するため、従業員等の研修も必要です。制度が変更される日(平成31年10月1日)までに準備を完了する必要がありますので、計画的に取り組む必要があります。
特に、請求書発行システム等の更新は、間際になるとソフト業者等も多くの仕事を抱え、間に合わなくなる可能性がありますので、早めに業者に相談することをお勧め致します。
また、会計ソフト等の経理に関するシステムもバージョンアップする必要があります。この他にも考えられますので、どの様な対応が必要となるかを整理しておきましょう。
消費税増税の対応が必要となる中小企業・小規模事業者の方には複数税率対応レジ導入や、受発注システムの改修を行う際に、その経費の一部を補助する「軽減税率対策補助金」の制度があります。制度をしっかり活用して、準備を進めましょう。
軽減税率対応補助金に関するお問合せ先
「軽減税率対応補助金事務局」
ホームページ:http://kzt-hojo.jp
専用ダイヤル:0570-081-222(受付時間 9:00~17:00 土日祝除く)
(図表等出所:「よくわかる消費税軽減税率制度」国税庁)