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退職する際の業務引き継ぎと有給休暇取得

退職する際の業務引き継ぎと有給休暇取得

Q.先日、従業員から1ヶ月後に退職したいと申し出がありました。
その従業員には重要な業務を任せていたので、後任への引継ぎを確実に行ってもらう必要がありますが、残りの年次有給休暇(以下、年休)をすべて取得してから退職したいという希望が出ています。
年休を取得することによって、後任への引継ぎが終えられない事態となる場合、年休の取得を拒否することはできるでしょうか。

A.1.退職日までの年休取得
日常的に年休を取得しない従業員のなかには、年休が数十日も残っているというケースが少なくありません。
会社には、事業の正常な運営を妨げる場合、年休取得日を変更できる「時季変更権」がありますが、退職時にまとめて年休を取得するケースでは、変更する出勤日がないため、時季変更権を行使することはできません。
そのため、まずは退職日を変更できないか本人と話し合いを行い、可能であれば、引継ぎをしながら、並行して本人の希望する範囲で年休を取得してもらうようにします。

2.退職時に引継ぎを確実に行ってもらうために
就業業規則等へ「1ヶ月前までに退職の申し出をすること」と規定している会社様が多いと思いますが、年休の残日数の多い従業員の退職や、1ヶ月に1回しか実施しない業務の引継ぎがあると、十分な引継ぎが実施できないことがあります。
退職の申し出は、自身の業務内容や年休取得の予定を考慮して、場合によっては1ヶ月前より前に行うよう、あらかじめ従業員に周知しておきましょう。
また、特定の人にしかわからない業務を作らない体制や、業務内容や作業手順がわかるようなマニュアルを整備しておくなど、業務の属人化を回避し、急な引継ぎとなった場合であっても、滞りなく進められるよう、日頃から対策を講じておくことが重要です。

POINT!!重要な業務を分担できる体制の整備や、日頃から年休取得の推進をはかるなどの対策を講じておきましょう!

2020年11月01日

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