経営虎の巻 第111回「ヒューマンエラーへの対応」
ヒューマンエラーとは「事故のきっかけとなる人間の間違い」のことを言います。
うっかりミス、失敗、失念、不注意、誤認、誤判断など「事故」や「品質不良」の要因となるものです。
ヒューマンエラーは、「どこでも起こる」「被害が大きい」「防ぎにくい」等の特徴があり、企業の「信頼の失墜」を招くばかりか、「多額の賠償責任の発生」など、大きなリスクとなる可能性があります。
このヒューマンエラーの発生要因を探ってみると、次の3つに行きつきます。
ひとつは、その担当者の「能力不足」です。「情報を知らなかった」「できなかった」などが挙げられます。
次に「過失」です。「ついうっかり」や「思い込み」「聞き間違い」等です。
そして最後は「故意」です。いわゆる「手抜き」や「怠慢」などを示します。
またヒューマンエラーは、「3H」の時に主に発生確率が高いといわれています。
3Hとは「はじめて」「久しぶり」「変更時」です。
「作業方法が変更になった」とか、「新入社員が初めてこの業務を実施した」といった場合などにエラーの発生確率は高まります。こういった場面は、普段から注意が必要となります。
このような準備や対処を行い、エラーの発生確率を減らすとともに、もしエラーを起こしてしまった場合に、できるだけその影響を過少に終わらせることが重要となります。
そのためにも社内で管理の仕組みをしっかりと作っておけば、一定の確率で個人がエラーを犯しても、大きな事故や災害に至りません。
人の行動だけに注意を向けるのでなく、エラー防止対策(コミュニケーション体制、組織風土、環境整備、安全設備等)を組織内に構築することが必要となります。