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「相続税・贈与税一体化」

「相続税・贈与税一体化」

令和2年12月に発表された「令和3年度税制改正大綱」に、

「わが国の贈与税は、相続税の累進回避を防止する観点から高い税率が設定されており、生前贈与に対し抑制的に働いている面がある。
一方で、現在の税率構造では、富裕層による財産の分割贈与を通じた負担回避を防止するには限界がある。
諸外国では、一定期間の贈与や相続を累積して課税すること等により、資産の移転のタイミング等にかかわらず、税負担が一定となり同時に意図的な税負担の回避も防止されるような工夫が講じられている。
今後こうした諸外国の制度を参考にしつつ、相続税と贈与税をより一体的に捉えて課税する観点から、現行の相続時精算課税制度と暦年課税制度のあり方を見直すなど、格差の固定化の防止等に留意しつつ、資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築に向けて、本格的な検討を進める。」

と記載されています。
難しい文書となっていますが、要は、毎年110万円の基礎控除や低い贈与税率を活用して贈与を行うことにより、多額の資産に対して課税されず移転が行われている面を問題視し、贈与に関しても、相続税と同様の課税負担を負わせる方針であるという事です。
税制改正大綱の中に諸外国の制度を参考しつつとの文言がありますが、参考にしている先進諸外国の制度は下記となっております。

【諸外国の贈与税】

国名 納税義務者 税率 相続税に加算される年数 特記事項
最低税率 最高税率
アメリカ 贈与者 18% 40% 過去すべて 相続税の基礎控除が1,118万ドル(約12億) 配偶者は免税
イギリス 相続時 相続時に課税 過去7年分 相続税基礎控除 32.5万ポンド(約5,000万円) 配偶者は免税
ドイツ 受贈者 7% 30% 過去10年分 相続税基礎控除 続柄により控除額変動(約1億円)
フランス 受贈者 5% 45% 過去15年分 相続税基礎控除 子は10万ユーロ(約1,300万円) 配偶者は免税
日本 受贈者 10% 55% 過去3年分 相続税基礎控除 3,000万円+600万円×法定相続人

 

上記のように、相続税に加算される贈与財産については諸外国は7年以上遡って課税対象としております。
アメリカに至っては生涯です。
その分控除が非常に高いですが。
少しびっくりな金額です。
目を疑いましたが。やはりアメリカンドリームですね。

現状は、贈与税の改正が何時行われるか決まっていませんが、やがて実行されることが予想されます。
子や孫へ贈与を検討されている方は、早いうちに暦年贈与を始めておいた方が良いと思われます。
岸田総理になって発表される年末の税制改正大綱に注目です。

2021年11月01日

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