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今月の1冊「なぜアマゾンは‘今日中’にモノが届くのか」

今月の1冊「なぜアマゾンは‘今日中’にモノが届くのか」

「なぜアマゾンは‘今日中’にモノが届くのか」林部健二(出版社:プチトレル)

3月には時価総額でアルファベット(グーグル持株会社)を抜きアメリカ2位に躍り出たアマゾン。最近では、「アマゾン経済圏」という言葉も生まれました。
小売業界で圧倒的な存在感を放つこのアマゾンが他の企業と一線を画す点は2つあると思います。

1つ目は、「物流」です。
営業、商品開発は、直接的に会社に利益をもたらす「プロフィットセンター」と呼ばれ、生み出した利益で評価されます。
一方、直接的には利益を生み出さない間接部門は「コストセンター」と呼ばれます。倉庫、物流業務はこれにあたり、コストが評価の基準となります。
多くの企業では景気の悪化などによる需要の減少やニーズの多様化などにより利益を出せなくなっています。
アマゾンは企業理念の一つに「地球上で最もお客様を大切にできる企業であること」を掲げています。
アマゾンではコストセンターである、「倉庫」管理に多額の設備投資をし、優秀な人材を集め、効率を飛躍的に高めました。これによりどこよりも「速く」どこよりも「安く」をお客様に届けることを可能にします。他の小売業ではあまり聞いたことがありません。
お客様との唯一の接点であり、顧客満足度に大きな影響をもたらす物流に、多大な資本を投じ、商品・サービスを届けることが、アマゾンの考える「お客様を大切にすること」なのです。

2つ目は、「KPI」です
「KPI」とはざっくり言うと業績をみるための重要な指標を言います。
このKPIを週次で細かくチェックし、日々の業務改善につなげています。
アマゾンのKPIは種類、進捗率をかなり細かく設定しており、各KPIに主担当者がいます。「新規顧客の比率」「在庫欠品率」「「不良債権率」「メール問い合わせを一定時間内にどれだけかえせたか」といった多様なものが、「0.0×%」というレベルで細かく設定されます。
この主担当者による会議で先週の結果、今週の進捗状況、その理由が説明されます。
本書で著者もふれていますが、個人的にも特に印象的だったのが、目標が達成できなかった場合だけでなく、目標が達成できた場合でもなぜ達成できたかの説明が要求されるということです。
つまり、なぜ達成できたかを説明できること、理由をすべて理解できていなければ意味がないということなのです。再現性のあるものでなければ、意味がない。前例や商習慣だけでなく、あくまで数値やデータで判断し、それを徹底させるところが強さの秘訣ではないでしょうか。

私たちがするべきことは、方法を真似ることではありません。参考にして考えることだと思います。取り入れるべきところは取り入れ、自分たちのやり方に発展させていかなければならないのだと思います。

2018年06月01日

あらゆるニーズに対応できるようグループを通してお客様を支援いたします


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